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偏執的な愛について叫びたい感じ

横浜ロマンスポルノ16のセトリがとある男の物語に聞こえてきた件 1

2016年9月3日、4日に横浜スタジアムで行われた

横浜ロマンスポルノ16 THE WAYに参戦してきました。

 

普段とは違うライブ形式にどぎまぎしつつ、さらに(個人的に)大事件もありつつ非常に楽しんだライブだったので思わず帰りがけにセトリを作って夢から覚めた出勤時にかけていたんですが、

 

「…ん?んんん!?」

 

と思うことがありまして、ちょっとこれはつきつめてみようじゃないかと思い至ったわけでございます。

 

題して

 

「横浜ロマンスポルノ16のセトリがとある男の壮大な人生物語に聞こえてきた件について本気出して考えてみた」

 

くそほど長くなりそうな予感しかしないですが、お暇な方はぜひお付き合いくださいませ!!!!!!!

 

1.ハネウマライダー

新たな旅立ちにモーターバイ

今から旅を始める もしくは こんな旅をしていたんだ という序章ではないかと考えたんだけれども、この歌、大切な人と一緒にいること、守りたいという思いを歌っていると個人的に思っているので「成熟した中にあるちょっと幼いかわいらしい感情を表現している」という感覚からすると後者の こんな旅をしていたんだ でいいのかなと。

君が飛ばせとあおるからブレーキもかけずに進んだ先で何が始まったのか…?というわくわく感をポルノ自身が観客にあおってきている始まりの一曲にふさわしすぎこの上ないスタート

 

ここからとある男の一生ともいえる物語が始まっていく

 

2.横浜リリー

とある男(以下男)にフラれた女性(以下リリー)の話。

弱いくせに馬鹿なくせに本当の男になりたいと、とまだまだ幼い(≒思春期?)男に対してヤレヤレと思いつつも暖かな目線で語り掛ける彼女だけれど、その声音はどことなく暗く物悲しい。

若く、向こう見ずな彼にとってただ暖かいだけの彼女の存在はありがたくもあるけれども「ただの子ども扱い」は鬱陶しい存在でもあり、「リリーのことは大事だけれども、庇護はいらない。だって俺は男だから。」という理由からリリーの元を去っていく。

リリーもそれをわかっていて追いかけず見送った。

男は知らないけれど、リリーは一人で泣いていたんだよ…

 

余談になるけれど、このあたりデッサン#3の女性と被る いつだって悲しみは女だけにふりそそぐ~的な歌詞があるので

 

3.サウダージ

女性言葉で男の情けない心情を歌った曲というのは有名な話。

リリーをふっておきながら、置いていきながら傷ついている男。未練たらたらどうしようもない。きっとどんなに時がたってもリリーは彼にとって大切な人。忘れずにいられるでしょう、と心でつぶやく程度には。

繰り返されるよくある話と歌詞にあるけれど、リリーは彼にとっていろんな意味でのはじめての人。これから先に待ち受けていることへの布石と期待と後悔が入り混じった秀逸な皮肉ともいえるのではないでしょうか。

 

4.NaNaNaサマーガール

ふ  っ き  れ  す  ぎ

と、思ったけれどこれは男の回想ターンと考えれば腑に落ちる。

リリーと別れて女々しく男らしく旅を始めた男が移動中にふとまどろんだ瞬間に見た過去の夢を表現しているのではないか。

いつの時代も男は馬鹿でしょうがない、というのを全面に出しているかなり明るい曲だけれども、今回はアコースティックで決めているので「春期もまっただなかだった少年時代の自分を思い出して苦笑する」なんて風景がよく似合うのではないでしょうか。

 

5.アゲハ蝶

新しい女性の登場(以下アゲハ)

自分のせいとはいえ、傷心の男にとってあまりにまぶしすぎるアゲハとの出会い。まだ経験も浅い彼にとっては情熱的な出会いのようにも感じるけれど、一歩引いたところで見ればそれもまた一時の感情という場合もある。

なんにせよ、彼にとってアゲハは彼自身が身を挺して守りたい=リリーから守られていた頃の自分とは別の、自分が守りたいと思える相手であり、またそんな彼女からも愛されたいと強く願ってしまうほどの存在。この恋は果たして成就するのでしょうか

 

6.敵はどこだ?

無事にアゲハとの恋は成就したけれども、彼女守りたくも敵すらわからないこの状況、時代ではどうすることもできないという焦燥感がうかがえる。恋愛において、自分の足でたって歩き始めた状態。

決めてくれよ撃つべき敵を いっそ撃ってくれよ この左胸を

愛されるだけの存在=リリーの庇護を受けていた時のままの男。ありとあらゆることを自分で決めかねていて、その閉塞感を周りにぶちまけている雰囲気。

まだ子供のままの男。このままでは終わってしまう、どうする男…!?

 

7.2012Spark

このままでは終わらない、否終われない。現実というものに向き合い、そのうえでゴリゴリに戦い抜いてやろうという決意表明。

ここで重要なのが、男は決して強い人間ではないということ。どうみても未練たらたらのどうしようもない男なんだけれども、それでも愛する人のため、立ち向かうために、これから先の未来を手に入れるためにもがいているという図。

こういう後ろ向きな応援歌、すごくポルノ節が聞いていて好きです。余談でした。

 

8.ミステーロ

正直に申し上げてつなげるのが難しい。ここまで来ておいて心折れそうになりました。

謎や神秘を意味しているミステーロ

決意表明をしたものの、アゲハという女性の存在は男にとってやはり謎のまま。そこがまたいい、とも思うけれどあまりに不安定なアゲハの存在に自分の決意もゆらゆらとゆらいでしまいがちになっている。

手を取って歩き出そうとしても、いたずらに手を引っ込めてしまう。アゲハ。大人の女性。追いすがるほどの器用さも度胸もない男のかわいらしさも多少にじんでいるターンのような気がする。

 

9.ルーシーに微熱

アゲハのこと(女心)が分からなくなり疲れてしまった男は一時の安らぎを求めて繁華街へ。そこで出会った女性がルーシー。

僕ならば誰よりもうまく無傷のまま騙されてあげるよという歌詞、この歌を単体で聞くならルーシーを思ってのセリフにも聞こえるけれど、このセトリの流れからすると能動的な愛につかれた男が受動的な愛を求めている、いわば甘えのセリフに聞こえてくるから不思議。

ただまぁ、全体的な雰囲気から察するに一時のやすらぎを求めている男とルーシーの間には温度差があるというか、どうもダメダメなかわいい男をルーシーがふわりと受け止めてあげているんじゃないかという、甘えを許すようなニュアンスがうかがえる。それが決定的になるのが次の曲。

 

10.ギフト

ルーシーは男に語り掛ける。男がアゲハについて抱えるどうしようもない劣等感や、リリーに対して行ってきた仕打ちを受け止めたうえで、真摯に男に対して優しくもこう言い切っている。

悩んでいる自分に酔っている場合んじゃない。どうして自分が持っているギフトに目を向けてやらないのかと。

受動的な愛(リリーの施し)を受けながらも、自分を信用しきれないがゆえにリリーから離れ、新たな恋に出会ったところでアゲハが分からない、どうすることもできないと嘆く男に対してルーシーはどこまでも優しい。

 

11.EXIT

男はそれに対してこう答える。強い力で押さないで。何が大切か探しているところだからと。男にはわかっていた。ルーシーが自分に向けてくれた言葉はずっと前から心の中で繰り返してきた思いだといういこと。

男には何が大切なのか、もう答えが出ている。語り合うべき相手を見つけ、内心くすぶっていた思いを吐露する男が探している大切な何かの正体が次の曲。

 

12.愛が呼ぶほうへ

ここにきてはっきりと愛を前面に押し出してくる憎い(?)演出。

男の探している何か目線といえばいいのか、閑話休題というか、そういったターン。導かれているのでしょう、愛が呼ぶほうへとは、実は男が自然と向かうべき方向へ進んでいることを示唆しており、愛とはなんぞや?という自問自答の答えの先が次の曲。

 

13.My Wedding Song

きっと愛が成熟した形はこんな風になるんだろうという結論。それは別に男が経験したことではなく、男の両親や家族を見たうえでの未来の風景。

もしかすると、ルーシーが語る理想の将来像ということもありかもしれない。とにかく男はルーシーと語りつくすことにより、愛というものはなんなんだ?という確信へとせまろうとしている。

 

14.ヒトリノ夜

さんざん語りつくしてまた一人になった男。あれだけ綺麗な話もしたけれど、やっぱり女心というものも恋についてもわからない。一人で悶々と悩む男。100万人のために歌われたラブソングなんかに僕は簡単に思いを重ねたりはしないというのは、綺麗な愛を求めるルーシーに対する皮肉であり、君だけはオリジナルラブを貫いてというのは純真なルーシーに対する願いだったりする。

 

15.Mugen

あなたは無駄だと笑いますかってどうして馬鹿正直に聞いてしまうんだろうねこの男は。臆病に逃げ続けていた(愛に向き合うのが怖かった)男はようやくアゲハと対峙する。なにも決闘するわけではないんだけれど、男の覚悟としてはそれくらいの気持ちがある。永遠なんていらない、過ぎた時間を重ねた上に乗ってやっと届く明日をあなたと過ごしたいみたいな感じ。そんな遥かなる想いを吠えた男に待っている未来とは!?

 

〜2へ続く〜